差額を自己負担する医療を受けたとき 【保険外併用療養費】

保険適用外の医療を受ける場合には、保険診療にかかる費用も含めて、医療費が全額自己負担になります。しかし、厚生労働大臣の定める「評価療養(適正な医療の提供)」「患者申出療養」「選定療養(被保険者の選定によるもの)」については保険診療との併用が認められています。通常の治療と共通する部分(診療・検査・投薬・入院料等)は保険診療と同様に一部負担金を支払い、残りは「保険外併用療養費」として健康保険から給付が行われます。

[例]先進医療を受け総医療費が100万円の場合

保険外併用療養費の対象となるケース(抜粋)

◎先進医療を受けたとき

 大学病院や特定機能病院などで、保険給付対象外となる先進的な医療を受けた場合は、基礎的な部分(入院料や薬代など)に保険が適用され、保険給付対象外の部分は差額分として自己負担します。

◎入院時に個室などを希望したとき

 健康保険における入院は一般室が原則です。自ら希望して個室などの上級室に入るときは、健康保険で定めた入院室料との差額が自己負担になります。

 ※病院側の都合や治療上の必要がある場合は差額の負担はありません。

◎紹介状なしで200床以上の病院に初診・再診したとき

 紹介状なしで200床以上の病院を受診したとき、選定療養費の義務化により、原則として患者に一定額の支払いが求められます。

◎時間外診療・予約診療を受けたとき

 割増料金や予約料が自己負担になります。

◎歯の治療で保険外の材料を使ったとき

 歯科の治療は保険診療と自由診療の2本立てです。あらかじめ歯科医に要望を伝え、納得のいく治療を受けましょう。

患者申出療養

患者の申出を起点として、患者が希望する先進的な医療の安全性・有効性を確認し、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするためのしくみです。将来的に保険適用を目指していることが前提です。申出にあたっては、かかりつけの医師など身近な医療機関にご相談ください。